サバイバルスキル0です。まるをです
今日は人間を描く天才・森恒二先生の名作、【自殺島】の魅力について語っていきたいと思います
基本情報
まずは基本情報を
作品名:自殺島
作者:森恒二
ジャンル:サバイバル
出版社:白泉社
掲載誌:ヤングアニマル
発表号:2008年No.22 ~ 2016年No.17
巻数:全17巻
その他の代表作:ホーリーランド、デストロイアンドレボリューション
あらすじ: 主人公セイは自殺未遂を繰り返した末に、「生きる義務」を放棄した意思を示す書類にサインをする。病院のベッドの上で意識を失ったセイは、目が覚めた時、自分がまだ生きており、そして自分と同じ未遂者達が周囲に何人もいることに気付く。そして、ここが自殺を繰り返す“常習指定者”が送り込まれる島「自殺島」であることを知る。その直後、未遂者達は飛び降り自殺をする瞬間と死に損ねた者のおぞましい姿を目の当たりにし、一時自殺することを踏みとどまる。“死ねなければ生きるしかない”彼らのサバイバルが始まる
出典: 自殺島wiki
はいこんな感じ
以下は僕の独断と偏見による10段階評価です
- ストーリー性 … 【9】
- 画力 … 【6】
- 見やすさ … 【7】
- 独創性 … 【7】
- リアル感 … 【9】
このような感じですかね
それでは評価に焦点を当てつつ、具体的に見ていこうと思います
この漫画の魅力
自殺島の最大の魅力と言えば、島でサバイバル生活をするということに対してのリアル感ではないでしょうか
サバイバル系の漫画なんて沢山あるかと思いますが、この漫画は生きていく上で必要な知識・技術、狩猟の仕方・その難しさ、農耕や家畜の飼育など、とにかくサバイバルの焦点が非常に現実的に考えられているんです
というのも、作者の森恒二先生は綿密な取材や実体験の下に作品を描いていて、作中にも図解を入れた説明などがちょいちょい入っており、確かな裏付けを取られています
これは前作のホーリーランドでも見られることから、作品への強いこだわりを持っている方のようですね
そして面白いのが、【サバイバル】の内容に【自殺】を取り入れている点です
サバイバルというのは過酷な環境、状況で生きるための生活であったり試練だったりするのに、そこに集まったのは社会からドロップアウトした自殺未遂者。
そう、これ逆なんです
死を求めた人間達が、生きるためにサバイバルを行わなければならない
するとどういう事態になるか
当然、自殺ですよね
過酷なサバイバルに身を投じるには、生への執着が絶対必要なんですから。自殺未遂者達にできる訳がない
しかし一方で、『未遂』で終わっているだけの理由がある
この物語は、未遂者達がサバイバルを強制された世界で生きるということの本当の意味を見つけるヒューマンドラマなんです
この相反する二つの設定を上手く調和させ、構築させたストーリー性は個人的に非常に高い評価です
勿論内容だけではありません
キャラクターも個性と役割がしっかり描かれていて、敵と味方の立ち位置が非常に分かりやすいです
画は決して凄く上手いという訳ではありませんが、前作の『ホーリーランド』の後半から【自分の画】を確立されており、全体を通してとても見やすく仕上がっています
総合的に見ても完成度はかなり高いです
注目ポイント
ここでまるをの【注目ポイント】です
僕がこの作品で注目して欲しいのは、【森先生の人間の描き方】です
ここでいう人間の描き方とは画力の話ではありません。【心の描き方】の話です
森先生は人間を描くのが本当に巧みな方です
森先生の漫画には、葛藤とか劣等感とか弱さみたいな、【人間臭さ】と持ったキャラクターが数多く出てきます
そういったキャラクターを描くことって、ある意味どんなに上手い画を描くことより難しことなんじゃないかと思います
なぜなら画力は描いていくうちに上手くなっていきますが、人間臭さみたいな内面性は、人の心を理解していなければ描けないからです
自殺島は題材が題材なので、特に心の描き方が顕著に表れています
是非その辺に注目して読んで頂けたらと思います
まとめ
この漫画を読み終えた時、僕は『どうしてこの作品はアニメ化してないんだろう』と疑問に覚えました
面白い漫画はアニメ化ないし実写化するじゃないですか
『じゃあこの漫画が映像化しないのおかしいじゃん』って声を大にして言いたい
そのくらい完成度の高い作品です
最近は『なんでこんなクソみたいなやつアニメ化してんの?』みたいなのがホント多いんだよ全く…(小声)
とにかく、巻数も決して多くないので、是非一度【自殺島】を読んでみて下さい
読み終えた時、きっと僕と同じことを感想を持つと思います
それではっ
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